「新しいアイデアを思いついたけど、特許出願にはお金がかかるし時間もかかるようだし、特許出願なんてわざわさしなくてもいいのでは?」
あなたは、このように考えたことはありませんか。
現実には、多くの人は、「特許出願は必要ないのでは?」と思っています。しかし、それが、思わぬ損失につながるおそれがあります。
今回は、「特許出願とは何か」、そして、「特許出願は、本当に、しなくてもよいのか」について分かりやすく解説します。
特許出願とは?
特許出願とは、新しい発明について国に申請する手続きです。
この発明が審査を経て特許として認められると、その発明を一定期間独占する権利が、特許権として、与えられます。
つまり、特許出願は、単なる「アイデアの申請」ではなく、発明を誰にも真似されないように法律で守るための手続なのです。
「特許出願しなくてもいいのでは?」とためらう理由
- 出願費用がかかるし手続きが難しそう
- 自分の発明を商品として発売してもそんなには売れないと思うので、真似されることはないと思う
- 特許がなくても販売できる
これらは決して間違った考えではありません。
実際、特許を取得しなくても商品を販売することはできます。
では、なぜ、特許出願をする人がいるのでしょうか。
特許出願をしないとなにが起こるか?
●その発明が他人によって先に特許出願されてしまうおそれがある
我が国は、先願主義といって、「発明につき1日も早く先に特許出願した人」に特許を認めるという原則を採用しています。
このため、折角、あなたの会社で時間をかけて開発した発明なのに、特許出願をためらって後回しにしている間に競合他社により特許出願されてしまうと、あなたの会社がその発明を自由に利用できなくなるおそれがあるのです。
●真似されたらとめられない
あなたの会社が苦労して開発した発明なのに、この発明が競合他社により特許を取られてしまうと、基本的には、当該競合他社は、その発明を独占することができるので、その発明に対する競合他社の真似をとめることはできないのです。
折角、あなたの会社で苦労して開発した発明が、競合他社に模倣されてしまうリスクがあるのです。
●特許は会社の価値にも影響する
特許は「技術力の証明」として評価されることがあります。
融資、投資、共同研究、企業間の取引などにおいて、「どのような特許を持っているか」が重要視される場面も少なくありません。
それでも特許出願しないという選択肢もある
どんなに苦労して開発した発明であったとしても、必ずしも、特許出願をすべきとは限らないのです。
例えば、
- その発明の製品は、寿命が非常に短い
- 発明を公開したくない
- 適正な費用対効果が期待できない
といった発明もあります。
このような発明は、あえて、特許出願をしないと判断することも必要なのです。
大切なことは、「その発明について何の検討を加えることもなく、特許出願などしなくていい」と決めるのではなく、「その発明のメリットとデメリットをよく検討した上で、特許出願するかしないか判断する」ということです。
特許出願は「保険」に似ている
火災保険に加入していても、この火災保険を使う事態が発生するとは限らないように、苦労して開発した発明を特許出願しても、必ずしも特許になるとは限りません。
しかし、その発明が特許になれば、万が一、競合他社の模倣といったトラブルが発生したときには、大きな力を発揮します。
従って、特許出願は将来のリスクに備えるための保険とも考えられるのです。
まとめ
「特許出願なんてしなくてもいい!」と考えること自体は自然なことです。
しかし、特許出願しなかったために失うものも少なくありません。
- 発明を独占できるチャンス
- 模倣を防ぐ手段
- 会社や商品の信用
- 将来のビジネスチャンス
特許出願をするかどうかについて、自分の事業にとって本当に必要かどうかを一度立ち止まって考えてみることが大切なのです。

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